さっきまで普通に遊んでいたはずの子どもが、急に腕が痛いと言って泣き始める…子育て中にはよくある光景かもしれません。ところが、子どもの腕が麻痺したように動かないとなったら、大人も慌ててしまうのではないでしょうか?
肘内障は子どもに起こる亜脱臼
肘内障は「小児肘内障」とも呼ばれるとおり、子どもに起こる怪我のひとつです。特に7歳以下の子どもは注意が必要です。
肘関節は上腕骨と橈骨・尺骨の3つの骨を、靭帯がつなぐことで形成されいます。橈骨の先端は橈骨輪状靭帯という靭帯で尺骨とつながっているのですが、これが外れて脱臼になりかけている状態が肘内障です。
つまり、肘関節の亜脱臼ということですね。
子ども、特に小児はまだ関節が未発達なため、靭帯も柔らかくなっています。ですから、強い衝撃を加えると靭帯が骨から外れやすいんです。成長や発達には個人差があるので一概には言えませんが、5歳~7歳程度で関節がしっかりして骨や靭帯も丈夫になってくるので、小学校に上がる頃には見られなくなることが多いです。
肘内障が発生する原因には何があるの?
肘内障の原因ですが、「子どもの腕を強く引っ張ること」で起こります。たとえば、転びそうになった子どもの腕をつい強めに引っ張ってしまった、というような場面でも起こります。また、遊んでいる最中に強い力がかかって起こることもありますし、腕を自分の体の下に入れて眠ってしまった際にも起こることがあります。
痛みがあるため激しく泣いたり、腕に触られるのを嫌がります。明らかに腕を動かしたり曲げたりといった動作を取りません。
ただし、見た目には腫れなどがありません。
整形外科や整骨院での整復術で、関節を元に戻す必要があります。関節が戻れば痛みもなく、固定も必要ないため、子どもも泣きやんで元気になることが多いです。ただし、しばらくは肘に負担がかかるような動作はさせないほうがいいでしょう。
肘内障は癖になることが多いのですが、ある程度成長すれば起こらなくなります。それまでは、注意して見守ってあげてください。